東京ひとりぼっち

 


門前払いで家のなかにさえ

入れちゃくれなかったんだよ

おまえの家族は俺たちふたりを

許したわけじゃなかった


両手に抱えたみんなへのみやげ

近くの川に捨てたんだ

派手な色をしたプレゼントが

ゆっくり川を流れる


行き場をなくしたおまえは

雪の上にしゃがんで泣き始める

俺だってくやしくて

いっしょに泣く以外に手立てがなくて

 

その日最後の上り電車で

俺たち都会へトンボ帰り

今日から俺は変わる

見ててくれと抱きしめた


まるで世界のすみっこに

俺たちふたりぼっちだ

世界のすみっこに

俺たちふたりぼっち

世界のすみっこに

 


時の流れが俺の心まで

変えるなんてずるいよ

あんなに愛したおまえの笑顔が

色あせてくのはなぜだ


おまえが待ってる部屋に戻れずに

あてもなく街をさまよう

築き上げて来たいろんなものが

指のすき間をこぼれる


行き場をなくしたおまえは

床の上にしゃがんで泣き始める

視線をそらしたまま

言い訳の言葉を探していた

 

その日は何かの記念日で

忘れてた俺を君が責める

あいまいにうなずいて

分からぬまま抱きしめた


まるで世界のすみっこに

俺たちひとりぼっちだ

世界のすみっこに

俺たちひとりぼっち

世界のすみっこに